「中国茶応用講座」で学べること
何回かに分けてTeamedia Online Schoolで実施している講座で学べることを、ややざっくばらんな形でご紹介していきたいと思います。
まずは、まもなく開講となる「中国茶応用講座」についてご紹介します。
中国茶への理解度を高めるには?
「中国茶応用講座」は「中国茶基礎講座」の内容をベースに、さらに理解を深めるための講座という位置づけです。
「中国茶基礎講座」は、
1.中国茶を初めて本格的に学ぶ受講者の方が多い
2.各2時間×10回という限られた時間で、中国茶を紹介していくという時間的制約がある
3.講座のゴールを「中国茶の世界の一人歩き」。具体的には「“お店で好みのお茶を選び、それを美味しく淹れて、楽しむ”のに必要な知識と技術をお伝えする」ことに置いているため、現在買えるお茶とその淹れ方に特化する
という制約から、巷の中国茶講座でよくある歴史の解説については、ほとんど行わない講座としています。
なぜならば、歴史というのは人名や地名、書名など、多くの予備知識が必要になることが多く、たいていの方はここでパンクしてしまうからです。
まずは、お茶そのものを楽しめるようになっていただく。そこに重点を置くがゆえに、歴史についてはほとんど触れないという、少しイレギュラーな講座としています。
※その分、一般の中国茶講座ではほとんど触れない、お茶の植物学・化学的な視点についてお話をすることで、より深い理解を促しています。
しかし、より深くお茶の理解を進めようと思えば、ある程度、前提知識が必要な内容についても、きちんと学んでいく必要があります。
その次の受け皿となるのが、「中国茶応用講座」や「中国茶研究講座」等の講座群になります。
つまり、ある程度の基礎知識を有していることを前提に講座を進めていくのが、「中国茶応用講座」や「中国茶研究講座」となります。
そのうち、「中国茶研究講座」は特定の茶種・茶類について、詳しく見ていくものです。
特定の茶種・茶類に特化した専門店さん(たとえば、武夷岩茶や台湾茶の専門店さんなど)が発信するような、ややマニアックな情報をきちんと消化できるようにするための講座です。
このため、特定の茶種・茶類で飛び交う専門用語を解説したり、その中での違い(製法、品種、産地、価格等の違い)を明らかにする茶葉教材でテイスティングを行います。
一方、「中国茶応用講座」は、より幅広く中国茶全体についての理解を促すことが目的です。
「中国茶基礎講座」では時間の関係で触れきれなかった製法や産地の情報、そしてそのお茶の歴史について学んでいくことがメインになります。
茶葉教材も、中国茶基礎講座より、ややアップグレードしたものをお届けします。
茶のより深い理解には不可欠な”歴史”
”歴史”というと、苦手とする方も多いようです。
実際、私は大学時代に学習塾で社会科の講師をしていましたが、そのときの生徒の反応でも、
「たくさんの専門用語が出てきて、良く分からない」
「説教じみた話が多くて、なんとなく難しそう」
「専門用語を丸暗記するのが苦痛」
など、歴史が苦手な方はどうも共通する印象を持っているようです。
年号や人名や用語などの丸暗記で苦労した経験があると、”歴史”に対して、そのような印象を持つのではないかと思います。
また、「歴史というものを知ったとしても、そこで出てくるお茶は実際には飲めるものではないので、学ぶ意味は無いのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、「歴史というのは伝説のような類いのものでしょう?蘊蓄を言うときにぐらいしか役に立たない」と極めてドライに見ている方もいると思います。
しかし、「中国茶応用講座」で追究していく歴史というのは、
過去の人々が、どのような時代背景の時に、どのような思いで、どのような行動をとったのか?
という事実を解き明かしていくものです。
お茶というのは、突然生まれるものではなく、何らかの時代背景があって、そこで必然的に発生してくるものです。
正確な史実をきちんと集めて紐解いていくと、そのお茶が現在のような形になるに至った経緯が、明確に分かるようになります。
すると、そのお茶の本来あるべき姿であったり、正統な産地などへの理解がより進みます。
お茶の本質的な理解をするためには、茶と茶文化に対する歴史への正しい理解が必要なのです。
巷の茶の歴史は虚実入り混じる
しかし、茶の歴史を学ぶというのは、実は容易なことではありません。
なぜなら、巷で流通している茶の歴史の話は、史実から大きく外れた内容を脚色して語られていることが多いからです。
茶の研究については、史料が十分に揃っておらず、それゆえにある程度の想像が必要な場面も出てくるのですが、その想像が空想や妄想、あるいは商売上の都合でねじ曲げた話になっていることも多いのです。
何が史実であり、何が推測・憶測なのかをきちんと切り分けて情報を集めていかないと、話の整合性が取れなくなることが良くあるのです。
とりわけ、美談やちょっと良い話のようなものの中には、大いに脚色が含まれているので、受け売りで話をしていると、辻褄が合わなくなることがよくあります。
このような一般的に語られる”茶の歴史”とされるものを集めていっても、それは知識として体系化することは出来ません。
「中国茶応用講座」では、史実と一般的な俗説の差異を明らかにしながら、茶の変遷について学んでいく講座としています。
俗説とされるもののも紹介し、そのどこが飛躍した部分なのかも明らかになりますから、今後の学習にも役立つことでしょう。
専門書や専門講座に参加できる程度のベースの知識を育成する
歴史というのは、いくらでも深く学ぶことが出来るものです。
そのため、きちんとしたゴール設定を行うことが必要だと感じています。
それを行っておかないと、自分が関心を持った分野だけ詳しくなってしまうという、状態に陥るからです。
たとえば、戦国時代の歴史小説が好きな方が、戦国時代の歴史だけは異常に詳しい、というような状況になります。
これでは「中国茶の全体的な理解度を高める」という趣旨からは外れてしまいます。
そこで「中国茶応用講座」では、
さまざまな専門書や専門的な講座を受講しても、ある程度理解できる程度の知識を身につけていくこと
をゴールとして設定しています。
歴史関係については、それぞれの分野を熱心に研究されている方がおり、専門書が出版されていたり、専門の講座などが行われています。
そうしたものを受講する際に困らない程度の、茶の歴史の基礎知識をつけることを目指しています。
「お茶の歴史というものを学んでみたいけれども、奥が深すぎて、どこから手をつけたら良いか分からない・・・」
という方には最適な講座になるかと思います。
お茶をより詳しく知る上で、歴史は避けては通れない分野です。
出来るだけ分かりやすくお伝えする講座としていますし、VTRでの復習も可能ですから、確実に理解に繋がっていく講座かと思います。
「中国茶基礎講座」等の基礎的な講座を受講した次のステップとして、ぜひご検討ください。
この記事へのコメントはありません。